日々の暮らしの中にあふれる色たち。赤や青、黒や白。当たり前のように目にしているこれらの色にも、実は深い歴史や文化の背景があることをご存じでしょうか？
古代の人々がどのように色をとらえていたのか、そして日本に息づく美しい伝統色の世界、さらには現代のデジタル色彩事情まで、色にまつわるあれこれを少しだけ掘り下げてみました。
何気ない色の名前が、ちょっと面白く見えてくるかもしれません。
今回は、そんな「色」にまつわるお話を少しだけご紹介したいと思います。
【色の基本形】
古代における色の基本形とは【赤】【青】【黒】【白】の4つだったそうです。
その根拠の一つと言えるのが、色の名前単体でも使え、
なおかつ形容詞としても使える色の名前がこの４つしかないということ。
形容詞とは、言い切りの形「〜い」となる言葉でおもに物事の性質や状態を表します。
例えると、大きい、小さい、美しいなどです。
そしてこの４つの色「赤」「青」「黒」「白」は、「赤い」「青い」「黒い」「白い」といえます。
それでは他の色はどうなのかというと、「緑」を「緑い」？とは言いません。
「きいろ」は？と言われそうですが、これも「黄色」であって、
「黄」に「色」という別の言葉があり、「黄」単体だと「黄い」になってしまいます。
「茶」も同じで「茶色い」と言うけど「茶い」とは言わない事が根拠のようです。
昔の色の表現は 緑は青で、橙や黄色は赤、灰色は黒という具合にくくられていたみたいなので、
今からくらべるとかなり大雑把ですが、
現在も信号機の色、緑ですが、【青】になったら渡りましょう！って教わったり、
緑色の液体なのに、【青汁】といったり。やはり4つの色の内の【青】に分けられています。
【対の表現】
対で表現できるのもこの４色「赤」「青」「白」「黒」です。
その他の色には対になる表現がないのです。
お祝いや組み分けの「紅白」や
顔が「赤くなる」「青くなる」
物事を「白黒はっきりさせる」などです。
【重ねて表現】
重ねて表現できるのもこの４色「赤」「青」「白」「黒」です。
「赤々と」「青々と」「白々（しらじら）と」「黒々と」などで、
ちなみに「黄々」とか「茶々」などとは言いませんね。
【色は何色ある？】
皆さまはご存じでしょうか？
日本には、460種類以上の伝統色が存在し、それぞれに美しい名前がつけられています。
色に関する書籍も数多く出版されており、馴染みのない色名がずらりと並ぶこともしばしば。
WEB上でも、「原色」「和色」「洋色」「パステル」「ビビッド」「モノトーン」「メトロカラー」といったカテゴリで分類されていたり、
「古代」「奈良」「平安」「鎌倉」「室町」「安土桃山」「江戸」「明治」「近代」など、時代ごとに整理されたりと、色にまつわる情報は多岐にわたります。
ウィキペディアによると、
日本の伝統色とは、日本文化特有の色彩感覚に基づいた色であり、過去の歴史資料にその出典が確認できる、日本固有の伝統的な色名称を含む約1100種類の色を指す
と定義されています。
一方で、私たちが日常的に使っているデジタル画像データ（JPEGなど）は「RGB（赤・緑・青）」という色の三原色を基本としています。
それぞれの色は8ビット（256階調）の情報を持ち、組み合わせによって色を再現しています。
さらに詳しく言えば、「24ビットカラー」という方式では、RGBの各色が8ビットずつ割り当てられ、
256 × 256 × 256 = 約1,677万色（16,777,216色）もの表現が可能とされています。
では、それほど多くの色を人間の目はどこまで識別できるのでしょうか？
実は、健康な視覚を持つ人間は、最適な条件下で、
なんと約100万色もの違いを識別できると言われています。
【商品紹介と色のまとめ】
【IC701H】IRODORI（いろどり） 文字月表
七草は若菜色、ハロウィンはパンプキンなど、暦情報やカラーイメージを元に365日、365色を選定しました。365のカラーアイコンとともに、色名も表記しています。『いろどり』豊かなカラー文字月表です。
色はただの視覚情報ではなく、感情や記憶、文化や歴史とも深く結びついているものです。
日々目にしている色も、少し意識を向けてみることで、その美しさや意味に気づくことができるかもしれません。
伝統色の繊細な感覚と、デジタルの膨大な色の世界。
それぞれの魅力を知ることで、色の奥深さを改めて感じられるのではないでしょうか。
豊かな色の世界に触れることは、暮らしを少し楽しく、そして心豊かにしてくれます。
ぜひ、お気に入りの「色」を見つけて、日常に取り入れてみてください。